「玉縄」は大船駅の北西部一帯の地域で、戦国時代に伊勢宗瑞(通称北条早雲)が築いたと伝えられる「玉縄城」を中心とした独自の史実等、鎌倉市の旧市内とは異なった歴史風俗を持った地域である。このような地域の歴史等を研究すべく、平成十年に本会が立ち上げられた。当初は「玉縄の歴史を語る会」と称していたが、研究対象や地域が広がるにつれて、名称を「玉縄歴史の会」に改めた。 
 会の活動は、会員自身の研究成果の発表や歴史学者・郷土史家を招いて毎月開催する「公開講座」のほか、地域の遺跡や遺構を尋ねる「歴史散策会」を年に六回開催。その他に地域の旧家が所蔵している古文書を解読して地域の文化や風土を学ぶ「古文書の会」を毎月開催している。また、玉縄の歴史関係の書籍等を六種類出版している。
 

[ 玉縄城とは]

 玉縄城は、永正9年(1512)に小田原北条の祖伊勢宗瑞(通称・北条早雲)が玉縄の地に築いたと伝えられている。
JR大船駅西方、鎌倉市城廻・植木にある戦国期の典型的山城跡。
三浦氏に対する押さえの城として重要拠点となり、初代城主は北条氏時となる。以後、為昌、綱成、氏繁、氏舜、氏勝とつたえられ、天正18年(1590)4月、豊臣秀吉の将、徳川家康により包囲され、不戦開城となった。
後に、城は水野忠守に預けられたが、元和5年(1619)一国一城制により玉縄城は廃城。
現在、城跡に清泉女学院があり、諏訪壇が土塁とともに残り、周囲に「曲輪」などがある。
城を守る砦として、「長尾砦」、「二伝寺砦」、「高谷砦」、「おんべ山砦」などがあった。

(参考図書)
『玉縄の歴史と文化~玉縄風土記~』平成26年 玉縄歴史の会発行
『神奈川県百科事典』557頁「たまなわじょう 玉縄城」(伊藤一美執筆)1983年大和書房発行 

 

<「公開講座」(定例勉強会)> 

○ 開催日:

毎月 原則として第1日曜日の13:30~15:30

○ 会 場:

「たまなわ交流センター」(大船駅西口から藤沢方面に徒歩3分)

ビル内の「大船NPOセンター会議室」または「玉縄学習センター分室集会室」

○ 内 容:

玉縄城・玉縄地域のみならず、歴史テーマを幅広く求め、会員の研究成果を発表して相互学習をする、

あるいは地域の郷土史研究家などの専門家を講師に招いて学習している。

○ 資料代:

会員 200円、一般 500円

 

[分科会]
「歴史散策会」

毎年春秋6回、玉縄と周辺地域の歴史的な遺跡・遺構や寺社などを実地に見学しながら学習しています。案内・解説は会員自らが行うか、その地域に詳しい専門家を招いて行っています。

 

「古文書の会」

玉縄や周辺地域の旧家に所蔵されている古文書の発掘活動、およびそれらを教材に、毎月1回(第1又は第3火曜日)、平田恵美講師の指導を受けながら解読を行い、郷土の歴史を学んでいます。

 

<その他の活動>

「地域の歴史ガイド、講演活動」
自ら学習し、実地に見学して得た知識・知見を基に、玉縄城祉や玉縄地域の歴史や歴史的遺跡・遺構などの案内活動、また講演会講師として解説するなどの活動を随時行っています。 
「地域の歴史や伝統を次世代につなぐ活動」
古くから地域に残されている資料や古文書類、地域の風俗・習慣、ならびに寺社や地名などの由来、また地域の開発の歴史などを集大成し、主として出版物として残して次世代につなぐ活動を行っています。 
「玉縄地域のイベントへの参画」
毎年、玉縄地域を挙げて開催される「玉縄まつり」に出店・参画しています。また、平成24年(2012)に玉縄地域を挙げて盛大に実施された「玉縄城築城500年祭」事業に協賛するなど、本会の活動をPRするとともに、玉縄地域の歴史や伝統などを地域住民に伝承していく活動を続けています。 
「地域への奉仕活動」
会員有志で、玉縄城所縁の諏訪神社の清掃奉仕活動を定期的に行っています。今後、さらに活動範囲を広げていく予定です。